バターが無い!?

業界的には、年末のクリスマスに向けて業務用のバターの在庫がタイトになるのは毎年のことだけど今回はクリスマスが明けても、ず〜と品薄のまま。
最近のメーカーさんは、大手量販店向けを主な販売先としているので、そちらに安定供給させるために業務用の生産を抑えて出荷も昨年同月の半分とか八割とかの割当制が続いている。

理由は、原料乳が無いからだそうな。

もともと、牛乳は供給過剰になっていて、バターも動物性脂肪=太るという図式から市販用では人気がなかったので、政府の通達で2006年〜2007年にかけて大幅な減産が行われていた。
ちなみに、牛乳の減産とは乳牛の数を減らすという事だ。
ついでにいうと、昔からバターは市乳が余った時期にまとめて生産するという性格のもので、各メーカーは生産したものを一旦冷凍庫に保存して、市況を見ながら出荷数を決めて安定供給させていた。
ところが、賞味期限表示の問題で長期冷凍保存は行いにくくなったし、経営効率化を進めた結果余分なストックを持たなくなった。

それが、アメリカのバイオディーゼル政策を初めとする穀物価格の高騰と、オーストラリアの大干ばつの影響で、事情が一変してしまった。
世界的に生乳価格が高騰してしまい、それまで海外の生乳を使用していた乳業メーカー等が一斉に国産に切り替え、国内では残り少ない生乳の取り合いになってしまったのだそうな。

でも、バター=動物性脂肪=コレスレロールとか太るとか値段が高い等の理由で、家庭用のバターについてはもともとあまり売れていなかったので、問題は起きていなかった。
いや。厳密にいうと業務ルートで入手出来なかったプロの人が店頭で買っていたので、販売量は増えていたと思う。でも、それは主に製菓用の無塩バターの話。
有塩バターは限られたファンの人しか求めることは無かった。

それが、先日TVや新聞で報道されて以来、一斉に店頭から姿を消した。
バターが無い!買えない!となると、普段バターなんて買わない人でも欲しくなるよね。
だから一気に買いに走って、品切れに拍車を駆けてしまった(汗)

この事態に慌てた農水省のお役人は、
「量販店の店頭からバターが消えるのは影響が大きすぎるので、業務用のバターを更に減産して家庭用バターを増産するように。」との通達を先日出した。

でもさあ。それって、更に品薄に拍車を駆けるだけじゃない??
この場合は、どうしても必要なユーザー向けの商品=業務用バターを増産して安定供給させて、パン屋さんやケーキ屋さんやフランス料理店が開店と同時にスーパーへ突入してバターを買いあさる事態を起こさない方が、品薄感が弱まるんじゃないのかな?
普通の人で「バターじゃなくちゃ駄目」なんて人は、ほとんどいないぞ。

かくして、お役人の目先だけの判断で、事態は更に悪化を辿ろうとしているのであった。
本当、知らないぞ。
コメント

後手..

経営効率化...良い時は良いのですがその図式が壊れると^^;

後手に回ると目先を何とかとばかりに右往左往..
ガソリンの後がバターとは..
どちらも油....
油を売っているお役人たちには堪えるべくもなく^^;



こりゃ本気で自給率を上げる様にしなきゃバターどころか昔みたいに牛肉や卵も高級品になっちまうぞ。
家畜飼料のほぼ全てが輸入もんなんて国は他にないんだから。
日本人の命は米帝穀物メジャーに握られてるようなものだよ。

この数年、石油にしても穀物にしても昔のような需給バランスでなくまったく別の所でその価格が決められるんだから嫌になるよ


経済のグローバル化なんて格好いい言葉に騙され結局ババ引かされるのは一般庶民やね

No title

ピーマンさん

小麦粉・パスタにチーズ・バター、そして食用油!
それから、これらを使う食品全てが、とんでもない勢いで高騰中です。
特にあおりを食らうのが、個人経営のパン屋さんとケーキ屋さんにイタリアンにフレンチのお店。
守らなければいけない大切なお店が、危機に直面しています。本当にどうなってしまうのでしょうね。

No title

烈風さん

アウトソーシングもグローバル化も、無責任さを助長するだけだよ。
責任の取れない大人が、どんどん増えているような気がする。

No title

やまけんも言ってた「物には適正価格がある」という言葉を思い出しましたで。
とにかく安くていいものをと要求する消費者とそれに答えるメーカー。
どこにしわ寄せが来ると考えりゃ生産者に「もっとコストダウンせい」となりバターの場合、酪農を営む人たちとなる。
酪農だけでなく食肉畜産もギリギリのとこでやってるところが大半です。
価格重視では品質は二の次になるのも事実。
それでも消費者は「企業努力でなんとかしろ」

日本人はもうそろそろ「安かろう悪かろう」という考えを戻すべきですな。

これは食品だけでなく衣類や工業製品でも言える。
アウトソ−シングなるものは本来高度な技術が必要な事を企業が外注したり人を派遣したもんでしたわなそれがいつの間にか安い労働力を買うためのもんになってしまった。
そうしてるとこの言い訳は「国際競争力が・・・」さあそんなところが土俵に乗るとどうなるか単なる価格競争のチキンランになり耐え切れないところが崩壊。

一宮や岐阜の繊維なんて外国人を研修生という名目で使い人件費を下げてたりするんだけどそれがその業界で働く日本人の収入まで下げてる。
これは外国人研修生に日本語教えてたからよくわかりましたで。

それにしてもモノ作り(開発)が命のこの国が企業に人材育成よりも安く使い捨てにすることを奨励してるようではお先は真っ暗。

またそれに甘んじてる人々が多いことはやがて100年後あたりにはここには
「中華人民共和国東方自治区」
という日本でないものが存在してるだろうな。

日本の食は安すぎる

前出ヤマケンの「日本の食は安すぎる」を読んでいる処です。
<安さだけの追求が、食品偽装を引き起こす>

昭和48年49年頃の第一次オイルショックの時のトイレットペーパーのようですね。

再度、今からの経済の牽引役は農業だと云う人も増えています。
http://www.the-support.net/something/diary/0002.html


No title

正確には生産者価格は非常に安すぎるのですが、私を含めて中間業者が多すぎて
最終的には高くなってしまうのです。それが日本の流通の特徴でもあります。
その図式のまま、製品単価を引き下げようとするとどうなるのか?
一時期は複雑な流通構造がコスト高を招くと、中間業者を排除した直接買い付けを
したところもあるのですが、水産物や農産物の場合天候に大きく左右されるため、
安定して仕入を確保する事は出来ません。
つまりは「チラシ」に載せる価格に合った仕入をするのは非常にリスキーな訳です。
それで結局は、大半の流通大手はリスクは卸売り業者にかぶせて、
「この値段でこれだけ揃えろ」という無理を言うため、当然そこに偽装行為が発生
しやすくなります。
加工食品でも同様で、今では結構な数のモドキ商品が出回っています。
すべては、「安すぎる食を維持するため」なんですよね。
今回のバター不足でも、同じような行為をしなければなりません。
すなわち、「バターフレーバーを使ったマーガリンやオイルを、バターの代替えとして売る」という事です。
バターを使ったメニューを取りやめるか?代替え品で維持するか?
最終的には現場サイドの判断となりますが、最近こんなのばかりです(涙)

良い物を適切な価格で安定して届けるのが自分の仕事だと思っていますが
なかなか難しい。安くなければ売れない図式から、いい加減に脱却したいと
思っているのですが、なかなか有効な決め手が見つかりません。

でも、今回の食品の高騰は、もしかしたら一つの契機となるかもしれません。
今までなおざりにされてきた、食品自給を見直すキッカケにならないかな・・・
とほのかな期待を抱いています。
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する